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『いのちの食べかた』を見ました。原題は『Our Daily Bread/日々の糧』。ただただ淡々と食物の生産現場を写していて、ナレーションも音楽もない。とはいえ、僕的には非常に面白かったし、これは見とくべき映画なんだなとも思いました。


映像はクオリティが高く、美しく、多くの場面をフィックス(固定)で撮影されていました。普段見る事のできない風景を淡々と切り取る映像に、リュミエールが頭に浮かびました。僕は、食に関しての何か特別な事をしているわけではないので、普通にスーパーで買ったものや、ファミレスやコンビニ、ご飯屋さんや喫茶店、飲み屋なんかで出されたものを食べているわけなんですが、きっと僕の食べているものも、この映画に出てくるような、効率よく、コストを抑えつつ、安全基準をもクリアできるようにつくられた農畜産業の食品を食べているんだと思う。というかほとんどそういうものを食べているんだろうなぁ。


屠畜(とちく)という言葉は、この映画を見終わった後、パンフレットを読んでて知ったんですが(常識がない?)、映画では、ひよこがベルトコンベアで運ばれるシーンや、牛や豚、鶏なんかを食品にするために命を奪う瞬間が写し出されています。目を逸らしたくなる部分もありましたが、これはここで働いている人たちにとっては、生きていくための日常でもあるだろうし、そこでつくられたものを僕は日々ただいているだろうし、これからも生きていくために食べていくのだろうと思うので、そういうシーンこそ目を逸らさずに見ないと行けないと思いました。また、この映画に登場する人と、多分意識的にだと思うけど、食事をする場面の映像も印象として深くのこりました。


記録映画として、あらゆる場面で出てくる自動化された機械の動きや、巨大なマジックハンドのようなマシンで、木をザザザザと揺さぶってアーモンドを収穫する方法(本家のオーストリアのサイトのトレーラーでチラ見できます)や、傷をつけないようにリンゴを水に浮かして運ぶ方法、キャベツ(映画を見ているときはレタスだと思ってた)を傷つかないように夜中に収穫するために幌のようなモノの下で手元だけ照らして作業をする様子など、どのシーンを切り取っても人の工夫や技術なんかが見て取れて興味深かったです。岩塩を取るために地下へエレベータで下りていく作業員の人が、ゴーと轟音をたてるエレベータの中で普通に当たり前のように世間話をしているシーンが妙におかしかったです。そう、この映画、出てくる人が妙に普段と変わらない雰囲気で、それがなんか気になりました。仕事に向かう人のバスの車内の風景とか、普通に怠そうやもん。


パンフレットには内澤旬子さんというイラストルポライターとう方のコラムがあった。イラストルポライター?なんかどっかで聞いた事あるなぁと思いつつ、映画を見た人に感想なんかをみてたら、内澤旬子さんが情熱大陸に出ててみたいな日記を見つけて、あぁ、HDDに録画だけして見てないやつだと思って見直しました。キューバの屠畜を取材している内澤さんの言葉に何かヒントがあるような気がしました。世界屠畜紀行って本も全然知らなかったので、ちょっと見てみたいです。


映画のサイトとか:
Unser täglich Brot - Home - Geyrhalterfilm
|いのちの食べかた|
うれしいです - 内澤旬子・空礫日記


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